俯瞰して考えられるか

俯瞰して考える能力はどんな場面でも私達を助けてくれます。

全体を把握して物事を理解する能力をゲシュタルトと言うらしいですが、このゲシュタルトが出来ている人は明確で良い判断をします。

逆にゲシュタルトが無く、物事を直線的にしか考えられない人は、細かなところでつまずき、悩み、思考がグルグルと回ってしまいます。

私は精神科医ではないですが、家族がうつ病を患った経験もあり色々と調べる中、このゲシュタルト能力がうつ病の防止に良いのではと考えて止まないのです。

リニアな考え方

私の経験からうつ病は直線的にしか物事を考えられず苦しむ病だと考えています。

A.B.C.と順に物事を考えていく、悪い事ではありませんが、全て直線的だと問題が出てきます。

少し大きなプロジェクトを抱えたときに、その能力が分かります。

A.B.Cと順に進めて行くことで期限までに間に合わなかったり、細かな処理に気を取られ進めなくなることが多くなるのです。

全体を俯瞰して見る能力を持っている人はそれぞれ工程の力加減をコントロール出来ます。

そればかりかAからGぐらいまで進める手立てを考えていく事が出来るのです。

大きなプロジェクトの目標を明確にとらえ従来のやり方に依存せずに動けるのは全体の把握が早く物事を俯瞰して見る能力があるからに違いありません。

視野が狭まる

うつ症状になると視野が狭まりその事ばかりが頭の中に残ります。

第三者から見れば「他の方法もあるのに」と考えられる事柄にグルグルと思考を奪われるのです。

失敗したことを悔やんだりどうにもならないことに頭を使います。

本人に何を提案してもその状態では聞く耳を持たずひたすら苦しむようです。

「物事を俯瞰して見れる様に慣ればうつ病は治る。」なんて言う気はありません。

あくまでも私の経験ですが、心を痛める出来事があり深く苦しんだ時期も結局は家族や友人が俯瞰して問題を見させてくれたので気が楽になったことは事実です。

スーッと心が晴れる経験をいくつかしましたが、俯瞰して見れる様になり問題解決の糸口が見えた経験がほとんどです。

俯瞰して見るって

では俯瞰して見るってどういう事でしょう?

具体化の反対は抽象化ですよね。物事を抽象化すると俯瞰して見ることに近くなるのかなと私は理解しています。

「山田太郎」は特定の人物をさした具体的な言葉、これを抽象化すると「男性」になります。もっと抽象化すると「日本人」、「人間」、「動物」、「生物」など範囲を広め大きな視点で見て行くことが「俯瞰して見る」という意味ではないかなと考えています。

「当事者」で分からない事を客観的に見る、第三者の視点で見る事で気づくことがあります。これも「俯瞰して見る」一つの方法だと考えます。

たまに煮詰まって考えが浮かばない時にその場に居ながらにして上空へ幽体離脱する様なイメージを行います。悩んでる自分ごと外から見て見ると良い考えが見つかったり問題が大したことのない問題に変化することがあります。

悩んでる時に他人から「大した問題じゃない」なんて言われても説得力がないどころか、「何も分かってくれない」なんて憎しみまで出てきますが、自分が「大した問題じゃない」と気づくとスーッと心が晴れてきます。

日頃の妄想

色んな場面で役立つので私はいつでも俯瞰して見れる様に練習をする様にしています。

問題が発生して当事者になると気づかず問題を具体的に見ようとします。グルグルと小さな範囲で解決しようとしますので、問題が発生しない日頃から妄想します。「あの人だったらどう考えるだろうか」とか「私が若かったらこう考えるのかな」なんて妄想を積極的にする様にしています。

また、マンダラというツールを使ってなるべく物事を広げて考える癖をつけています。

全ての問題を解決出来ない

俯瞰して物事を考えられる様になると問題解決が楽になるのは確かですが、どんな問題にも必ず対処できるというものではありません。

ですが、一つの考え方として試して見てはいかがでしょうか?

あなたを助ける良いツールになると思います。