「見える化」は「見せる化」

業務改革で新たな取り組みを行うと必ず出てくる問題がある。

仕組みが見えないので、定着するまでその取り組みが継続されないという問題である。

習慣化されるまでが問題

早起きやダイエット、運動なども習慣化されるまでが困難ですよね。

根性で出来る物ではなく、たんに新たな習慣を頭の中でキープすることが出来ないんです。

すでに習慣化していることに結びつけることが良いという記事を書いたことがありますが、実際には全て上手く習慣化出来たかというとそうでもないんです・・・。(笑

業務改善では普通のこと

一方で業務改善で新たな取り組みをするときにどうやっていますか?

新たな取り組みを導入する人は当然のことながら「カイゼン」をしようとしています。それを行えば業務の効率化が行えると考えて導入を試みますが、それを行う人はそうは思っていません。

「毎日の入力を了承してもらったのに入力されない」

「もしかして腹落ちしていないのか?」

などと導入を試みた方は気を揉みます。

「本当に良い方法を導入したのだろうか?」と不安になることが多いと思います。

だけどそれほど不安にならなくても良いんです。

多くのシステムを導入して

仕事柄、多くのシステムを導入してきました、昔はそんな風に不安になったりしましたがユーザー側に問題や不満があるわけではなく習慣化が出来なかったことに気がつきました。

習慣化を助ける仕組みを考えていなかったんです。

これに気がついてからは「習慣化を助ける仕組み」を必ず考えるようにしています。

よくある間違え

わかりやすくよくある話で表現しましょう。

新たな集計がしたくて部署の皆んなに協力を仰ぎ、エクセル帳票を作りました。

毎日入力するタイプだったのですが、最初の1週間は入力されたものの次の週からは入力されませんでした。

初めは繰り返しお願いをしていましたが指摘するのも疲れて結局集計まで辿り着けずに断念・・・。

こんな話をよく聞きます。

エクセルはファイルを探してそれを開くという手間があります。快く承諾してくれた仲間も悪気があって入れないのではなく記憶してないのです。

記憶をフォローする

どのような方法で新たな取り組みを習慣化させるのが良いのでしょうか?

前後の作業を見渡して関連づけられる作業があれば関連付けます。「if-thenプランニング」と言いますが、関連づけることによって流れを作るのです。

「○○の作業前に入力しないとあと工程が始められない。」などと確実な関連づけを行えればベストですが、そういかない時は前工程の作業終了時に新たな処理を思い出すような仕組みを作っても良いかもしれません。

「見える化」は「見せる化」

エクセル帳票を作って「見える化」出来ました。と人がいますが私は違うように思っています。エクセル帳票は「見にいく」必要があるからです。

新型コロナが猛威をふるったときに「出社したら体温を報告するように」とエクセル帳票を用意した上司がいました。

また、違う上司は部署の入り口に体温の書き込み表を張り出しそれを行いました。

結果は後者、紙を張り出して記入を促した場合の方が継続率はよく、意味のある作業になりました。

「見せる」という行為が習慣化に結びつくきっかけになるのです。

デジタルサイネージの活用

多くの取り組みは習慣化されるまでがいちばんの難関です。一方で人は皆がやっていることに逆らうことが出来ない生き物なのです。

皆に入力をお願いしたいときにはデジタルサイネージなどを利用して皆が入力しているように見せることが必要です。

また目につく所に置くことで無理なく新たしい試みを習慣化させることが出来ます。

新たな取り組みにはセットでどうぞ

新たな取り組みを習慣化させたいと考えている人は是非やって見ましょう。

「思い出す手助けをしてあげること」

「皆が実行していることを教えてあげること」

業務改善がどんどん進むようになっていきますよ。