―「やらないこと」を決めるアイディアと工夫
なぜか減らない仕事、その理由は「足し算」だから
「うちは常に人手不足」「効率化したはずなのに、なぜか忙しさは変わらない」
――そんな声を、多くの中小企業で耳にします。
業務改善というと、新しいツールの導入や最新の働き方を「足す」ことに目が行きがちです。しかし実は、最強の業務効率化とは「やらないことを決めること」なのです。
まずは、次の問いから始めてみましょう。
- それ、本当に必要な仕事ですか?
- その作業、今もお客様のためになっていますか?
- 「昔からやっているから」だけで続けていませんか?
【視点を変える】「やる前に、やめることを見つける」
業務改善に必要なのは、新しい視点です。
よくあるケースとして、Excelで作っていた書類をkintoneに置き換えようとする企業があります。しかし、そのExcelが必要なものかどうかの精査が抜けていると、単に「ツールを変えただけ」で何も改善されません。
まず行うべきは「業務の仕分け」です。
- やらないと決めること
- 意味のない定例報告、過剰な社内資料など - まとめること
- 二重入力、同じ内容の複数の台帳 - 誰でもできるようにすること
- 属人化している手順、ベテランしか分からない処理
この視点で整理するだけで、業務量は約20〜30%減少した事例もあります。
【kintoneの活用】「工夫の余地を生む仕組み」
kintoneは、ノーコードで自社専用のアプリが作れる業務改善ツールです。
最大の強みは、「業務の再設計がしやすい」こと。
以下のような工夫ができます:
- 入力作業をルール化して省略:例)チェックリスト方式で報告書を簡略化
- 連携による重複作業の削減:例)案件台帳と請求書データの自動連携
- マニュアルやルールを埋め込む:例)誰でも作業できるよう業務フローに注釈や手順書を添付
この「現場に合った工夫」が、自然と業務効率化を進めるのです。
【導入ステップ】“足さない”改善の進め方
以下は、実際の導入企業がたどったステップです。
- 現場ヒアリング:「この仕事、やらなくて済むならやりたくない」を正直に聞く
- 業務の見える化:ホワイトボードやExcelで「やってること一覧」を出す
- 「減らす」「まとめる」を議論:要・不要をチームで見直す
- kintoneで最低限の業務をシステム化:既存ルールを忠実に再現しない
- やってみる→改善する:1ヶ月単位でPDCAを回す
【ビジネス効果】数字で見るインパクト
以下は、あるサービス業の事例です。
- 書類作成の作業時間:1件あたり45分 → 12分に短縮(約73%削減)
- 定型業務の見直しにより、1ヶ月20時間分の空き時間が発生
- 業務の棚卸しで5つの業務を廃止(結果、残業ゼロ達成)
最も大きかったのは、「現場のメンバーが“やらされ仕事”から解放された」ことでした。
よくある壁と、その超え方
よくある障壁 | どう乗り越えるか |
---|---|
「昔からやってるし…」 | 客観的にコストと成果を比較する |
「誰もやめようって言い出さない」 | 第三者視点で問い直す(外部の視点を活用) |
「業務の全体像がわからない」 | 業務フローを書き出すところから始める |
まずは「やめられる仕事」がないかを見直してみよう
効率化の第一歩は、何かを足すことではなく引くこと。
最強の業務効率化は、**「やらないことを決める勇気」**から始まります。
日々の業務に追われて見直せていない業務、ありませんか?
まずは「視点を変える」ことから始めましょう。
✅ この記事を読んだあなたにできる、最初の一歩
- 明日やる予定の業務の中で、「やらなくてもよいかも」と思うものを1つ書き出してみる
- 社内で「やらない業務を見つける会議」を10分だけでも実施してみる
- 興味があれば、kintoneの無料体験版を触ってみて、業務がどう変えられるか考えてみる
アイディアと工夫で、業務をもっと軽やかに。視点を変えるだけで、未来は変わるのです。