「またこの作業かよ…」その一言が会社を変えるかもしれません
「現場の声が経営に届かない」「社員の本音が見えない」
そんな悩みを抱えていませんか?
中小企業では、経営者と社員の距離が近いようで、実は見えない“壁”があることもしばしば。
特に業務に対する小さな不満や「こうしたらいいのに」という改善アイディアは、
日々の忙しさに埋もれて、なかったことにされがちです。
でも、もしその「愚痴」こそが、業務効率化やチームワークの強化につながるヒントだとしたら?
今回は、そんな現場の声を“おもしろく”集め、経営に活かす仕組みをkintoneで実現した事例をご紹介します。
キーワードは、「kintone」「チームワーク」「ローコードでできる中小企業DX」です。
なぜ現場の声は届かないのか?
中小企業の現場でよく聞かれる課題:
- 作業手順が人によって違い、連携が取りづらい
- 業務にムダがあると分かっていても、言い出せない雰囲気
- 指摘すると「文句」と捉えられ、逆に気まずくなる
- 経営者も本音を聞くチャンスがない
このように、問題は「やり方」なのに、「人」に対する批判と受け取られてしまう――
そんな職場では、改善提案は表に出ません。
そこで登場したのが、ちょっと変わったアプローチ。
その名も「愚痴ったー」です。
愚痴アプリ「愚痴ったー」とは?
一見ふざけたような名前のこのアプリ。
社員が匿名で“愚痴”という形で業務改善のヒントを投稿できる仕組みです。
- 「毎朝の確認作業、紙でやる意味ある?」
- 「この申請、結局メールでも聞き直されるのが謎」
- 「あの棚、もう誰も使ってないよね…」
こんな投稿が日々蓄積されていきます。
ポイントは、「誰かを責める投稿は禁止」というルール。
あくまで“やり方”や“仕組み”への問題提起に絞っています。
投稿はkintoneのアプリ上で一覧表示され、管理部門や経営者が閲覧可能。
さらに、いいアイディアには「いいね!」ができ、コメントも可能にしました。
kintoneによる実装ステップ
この「愚痴ったー」、実はkintoneの標準機能だけで実現可能です。
ステップ1:アプリ作成
- 投稿者、日付、タイトル、内容、カテゴリ、改善案などのフィールドを設定
- 匿名投稿用に、ユーザー名は非表示
ステップ2:アクセス権の設定
- 投稿者が誰か分からないようにフィールド非表示
- 管理者だけが全投稿を閲覧可能に設定
- 投稿内容を確認してから公開するように設定
ステップ3:コメントとリアクション
- コメント欄を開放し、良い投稿にはリアクションを推奨
ステップ4:週1回のレビュー会議
- 管理者やリーダー層で投稿内容をチェックし、改善につなげる案を検討
成功事例:愚痴がチームを変えた
この仕組みを導入した製造業A社(従業員40名)では、以下の成果が生まれました。
- 3ヶ月で72件の“業務に対する愚痴”が集まる
- そのうち21件が具体的な改善施策として実行
- 業務マニュアルの見直し、チェックリストの自動化、備品配置の変更などが実現
- チーム間の情報共有が活発に
- 結果的に、業務改善による残業時間15%削減
「愚痴が許される場があることで、むしろ前向きな提案が増えた」と、現場の声も。
よくある障壁とその乗り越え方
■「愚痴を許すと雰囲気が悪くなるのでは?」
→否。ポイントは“愚痴のルール作り”です。
人を責める言葉は禁止。「やり方」だけを問題視する文化が必要です。
さらに愚痴と共に改善案も出してもらうのも重要です。
■「経営陣が見たら怒るのでは?」
→逆に、経営者自身が「気づけなかったこと」を知れるチャンス。
まずは管理部門限定でスタートし、徐々に浸透させていくのが得策です。
■「投稿が集まらないかも…」
→最初は「投稿例」を社内チャットなどで紹介し、安心感を与える仕掛けを。
チームワークを強くする副次的効果も
「愚痴ったー」を通じて、部署をまたいだ課題認識が共有され、
「あ、うちも同じ悩みあったんだ」と共感が生まれ、
部門間で協力しあう動きが生まれた企業もあります。
業務改善が“個人の頑張り”ではなく、“チームの連携”で実現されていく――
これが、真のチームワーク強化につながっていきます。
最後に:まずは1つ、愚痴を拾ってみませんか?
「業務改善」と聞くと、構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、改善のヒントは現場のちょっとした違和感の中に眠っています。
社員の「なんとなく不便」を見逃さず、
その声に耳を傾ける仕組みをつくる。
それが、チームワークを育み、業務効率化を加速させる第一歩です。
kintoneは、その仕組みを無理なく・早く・柔軟に実現できるローコードツール。
「愚痴ったー」から始まる業務改革、あなたの会社でも試してみてはいかがでしょうか?