2021年11月10日、「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布され、白ナンバーの乗用車5台以上、または乗車定員が11人以上の自動車を1台使用する事業所ごとに選任する必要のある安全運転管理者の業務として、新たにアルコールチェック業務が追加されました。
アルコール検知器を利用した確認については半導体不足などにより機器が入手しにくいとの話から無期延期になっていますが、飲んでいないかのチェックと測定記録の保持に関しては継続して義務化されています。
従業員の目視によるチェックの実施と測定の記録を1年間保持する必要があるのです。
万が一の事故を防止することが狙いでしょうが、安全運転管理者とドライバーのやることが増えてしまっていることは間違いないですね。
チェックして記録する
「このチェックして記録する」に関しては色々なところで「管理」として行われています。
最近だとコロナ禍の「体調・体温管理」がありました。毎日、体調と体温を報告して管理者はエクセルなどにまとめて保持するというものですが、どのぐらい正確性があるのでしょう?
従業員はそのデータが活用されていない場合、すぐにそれに気づき適当な値を報告します。(私がそうなので間違えありません(笑))
管理者も毎日データを集めることが仕事になりデータを確認しなかったり、まとめて適当な値を更新したりと本来必要な健康管理という側面からズレてデータを作ることが仕事になってしまいます。
これらの行為が明らかに行われている場合でもこの「報告して測定記録を保持する」ことは会社としてはやめないのです。今回のアルコールチェックでも同じような感じで意味のない手間だけが増えることになるのではないでしょうか?
本質と継続方法

今回の道路交通法改正におけるアルコールチェックは、安全運転管理者と従業員の手間を単純に増やしたいのではなく飲酒運転による事故を減らしたいというのが本質です。
なので毎日の適当な値を帳票に残し、面倒だと思いながら続けるのは本当に意味のないことなのです。
それならば「やり方」を少し変えて手間なく継続でき安全運転につながる工夫をして行きましょう。
一例ではありますが
やはりスマホからの報告が一番だと思います。気軽に送信できることや位置情報・時間情報を確認していれば写真の使い回しもありませんし、画像送信に信憑性が出れば機器を利用した測定に変わっても対応が出来ます。
何よりそれを転記したり後から処理をする手間がなくなります。
さらに毎日簡易的にモニタリング出来る画面を追加すれば完璧です。従業員の名前が出ていて報告があった者だけ青くなる仕組みを利用すれば出勤状況と同時に確認ができます。
この簡易モニタリングには不正データを抑制する効果もあります。エクセルなどで管理する場合にはエクセルファイルを従業員が見ることがないので活用されているのか分かりません。
「出勤状況確認ボード」などの名前で会社内のモニタで表示することで「確認されている」という感覚になるので不正を行おうという気にならないのです。
安全運転管理者だけではなく、「皆んなで確認する」ことを取り入れるだけで社内にチラシを貼ったり打ち合わせのたびに注意したりと管理者も従業員もストレスが多い処理が少なくなるのです。

スマホで報告しモニタで管理する仕組み
この仕組みは色々なところで応用できます。社内に「管理」という名の無駄な仕組みはありませんか?
もっとスマートに行えるようになると生産性も上がります。今流行りのDXもこういう考えで取り組んだ方が良いと思うのです。