働きたくて入ってきている

ふとしたことで話が盛り上がったのは、就職したばかりの若者。

彼は、入社したばかりの会社のことや先輩のことを楽しそうに話していました。私まで若い気分になってしまい、「私にもこんな頃があったな」と思い出しました。

そんな彼と再会したのは一年後。「あれっ?」と思うほど彼の輝きが消えていました。

どうしたんだろう?

気になって後日彼を呼び出して話を聞いてみると、原因はコミュニケーションにありました。少し話してわかったのは、新しい会社の教育方法の問題でした。

最近、新人がすぐに辞めてしまい、人材確保に困っている会社が多いのですが、そのため、新人教育の段階で負担をかけないように細心の注意が払われているとのことでした。

「何にもやらせてくれないんです。」

先輩社員もOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)で教育をしているので、通常の業務をこなしながら教えるのは大変なのか色々聞きたいことも聞けない雰囲気らしいのです。

ここで会社側と新入社員の間にすれ違いが生じます。お互いのことを思っているのに、すれ違ってしまうのです。

解決策を提案

「ここで辞めたら『最近の若いのは・・・。』なんて言われるよ」と冗談を言いながら、私は彼に提案しました。

多分、OJTで教育をしているので、ドキュメントが整備されていないのではないかと考えたのです。そう、【マニュアル】です。

新人が暇になるほど忙しい現場では、ドキュメントを充実させることが重要です。OJTは先輩社員に負担がかかり、色々なことを聞きづらい状態になってしまうのです。

そこで、私は彼に【ドキュメント作成】を提案しました。「先輩に教わりながら、待機時間で習ったことを書いてみたら?」と伝えました。

「しかも、後から入ってくる後輩にわかるように書いてみな。」この言葉に彼の目が少し光ったのを確認できました。

逆の立場から考える

「最近の若いもんはすぐにやめる」「仕事を覚える前に辞めてしまう」と考える前に、逆の立場になって考えてみることが大切です。右も左もわからない新人がただ立っている気持ちや、先輩に聞きたくても忙しそうで聞けない雰囲気・・・。

新人さんも働きたくて入社してきています。いきなり重要な仕事は無理でしょうが、ただ立っているだけでは一番の負担になります。

人は任されて育つもの、仕事は任されて愉しくなるものです。

「次に入ってくる新人のためにドキュメントを作って!」こう声かけてあげれば良いと思います。

アウトプットの重要性

何事もインプットだけでは上手くいきません。アウトプットがあるので咀嚼され自分のものになると私は考えます。

【次に来る新人】のためにわかりやすくドキュメントを仕上げることは教わったことをちゃんと理解し整理しないと書けません。

そのドキュメントで理解度がわかる他、出来上がったドキュメントは会社の宝物になります。

それを更新して見えるところに置いておけば全てがうまくいくと思いませんか?