「同じ情報を別ファイルにも入力しなきゃいけない」「システムに入力したかどうかを管理する表」・・・
こうした 二重管理 は、慢性的なストレス源です。今回は 「そもそも必要なのか?」を見極め、ムダな管理簿から解放される手順 をまとめました。
二重管理が生まれる背景
背景 | 具体例 | 影響 |
---|---|---|
人・処理数が多い | 拠点ごとに同一の報告書を作成 | 入力の手戻り・確認コストが増大 |
慣れによる盲点 | 「昔からの台帳」を誰も疑わない | 改善の機会を逃がす |
目的の共有不足 | 法定保存か社内メモか判別しない | 「とりあえず取っておく」文化 |
「その管理簿、本当に必要?」4つの見極めポイント
①処理自体が必要か?
取引先や内部プロセスが変わり不要になっていないか。
②他で二重管理されていないか?
既存システムや他部署で同じ項目を入力していないか。
③保存期限は?
電子帳簿保存法などを踏まえ、期限が来たら速やかに破棄できる仕組みか。
④法的義務か任意か?
保存義務帳簿でなければ、別の形態(ダッシュボード表示など)に置き換えられないか。
特に大きな組織になればなるほど、②の他部署との連携で、同じ作業が発生しているケースが少なくありません。部署を跨いで不要な業務はないか、全社で包括的に考えることも重要です。
「なくす・まとめる・デジタル化」の順で考える
ステップ | やること | コツ |
---|---|---|
1) 現状棚卸し | すべての帳票・台帳をリスト化 | 役職をまたいだワークショップ形式が効果的 |
2) 重複の排除 | 同じ入力項目をまとめ、管理者を一本化 | 責任範囲を可視化 |
3) デジタル一本化 | kintone等で単一データソースに統合 | 入力フォームを共通化し、権限で閲覧を制御 |
4) 定期レビュー | 半期に一度 「不要帳簿ゼロ」チェック | PDCAを回し、新規業務にも即座に適用 |
管理者よりも作業者の方が細かな業務を意識できています。現状の棚卸しには、役職をまたいだワークショップなどがモレなく効果的です。
kintoneで叶える実践イメージ
①ルックアップを使い、他の台帳に取り込み
→ 1つデータを使い回すことが可能なのでデータの無駄がない。
②アクション機能で「転記作業」を排除
→ ワンクリックで転記作業が完了。二重入力によるミス・確認作業がゼロに。
③保存期限到来を通知機能でお知らせ
→ 「気付いたら古い台帳が残っていた」を防ぐ。
まとめ – 二重管理撲滅で得られる3つのメリット
- 入力工数の削減 – 同じデータを打つ時間を本来の業務へ。
- 情報精度の向上 – データ源が一つなので、表記揺れやミスが激減。
- ボトルネックの可視化 – プロセス全体を俯瞰でき、継続的改善が習慣化。
二重管理の原因は「とりあえず残す文化」と「目的不明な帳簿」にあります。
不要なものは捨て、必要なものは一元化––それだけで業務のムダは驚くほど減ります。
まずは明日、最前線で使われている管理簿を1枚取り上げ、「本当に必要か?」と問い直してみてください。そこから御社の業務改善は加速します。