〜“やらされ感”から“自分ごと”へ。DXの第一歩は、信じることから〜
「生卵が立つかどうか」で見えたこと
「生卵って、立てられると思いますか?」
先日、仲間の家での夕食会で、そんな話題で盛り上がりました。テーブルの上で、生卵をそっと置いてバランスを取ろうとする大人たちの真剣な眼差し。意外にも、数人が成功しました。
そのとき感じたのは、「業務改善やDXの取り組みも同じだな」ということ。
「どうせムリ」「誰もやらないよ」と口にする人はなかなか卵が立たず、一方で「やってみよう」と本気で向き合う人は立ててしまう。
さらに、誰かが成功すると周囲の集中力が変わる。まるで社内に起きる“改善の連鎖反応”のように。
DXや業務改善は、ツールを入れるだけでは成功しません。「やってみよう」という空気を社内に生み出せるかどうかが、成功の分かれ道なのです。
現場の声が届かない…中小企業に共通する「社内風土」の壁
多くの中小企業が、次のような悩みを抱えています:
- 「もっと効率的にできるはず」と思いつつ、現場の声が経営層に届かない
- ツールを導入しても使われず、放置されがち
- 誰かが業務を抱え込み、属人化してしまっている
- 改善提案が「やらされ仕事」として片付けられてしまう
これらは、単なる業務の問題ではなく、「社内風土」の問題です。
つまり、「一人ひとりが自分ごととして改善に向き合えているか」が問われているのです。
kintoneで変わる、「見える化」と「共創」の仕組み
kintone(キントーン)は、業務改善やDX推進のためのローコードツールです。
ですが、ただのシステムではありません。社内風土を変える仕掛けにもなり得るのです。
kintoneができること
- 現場の声をアプリで集めて、一覧で可視化
- 改善提案やアイデアを記録し、ステータス管理
- タスクや進捗を見える化して、属人化を防止
- コミュニケーションや情報共有のハブとして活用
たとえば、「改善提案ボード」というアプリをkintoneで作ると、社員が思いついたアイデアを自由に投稿でき、コメント機能でチーム内での反応が可視化されます。
そこに「承認」や「実行中」といったステータスを付ければ、動き出した改善も追えるようになります。
実践のステップ:卵を立てるように、小さく、確実に
では、具体的にkintoneを使って社内風土を変えていくためにはどうすればいいのでしょうか?
以下のようなステップで導入する企業が多いです。
ステップ1:最初は小さく「1つの業務」から
「全社展開!」と張り切りすぎず、1つの課題にフォーカスして導入します。
例:日報の共有、稟議申請、改善提案、問い合わせ管理 など
ステップ2:現場の声を巻き込む
アプリを作る前に、「どんな風にしたら便利?」と現場のメンバーと一緒に考えることが鍵です。これだけで“自分ごと化”が進みます。
ステップ3:動かして、すぐフィードバック
「一旦動かしてみる」「改善はいつでもできる」がkintoneの強みです。
最初から完璧を目指さず、動かしながら改善していく文化を育てましょう。
実際に得られた成果:変わるのは“数字”より“人の反応”
ある50名規模の製造業では、紙とExcelで管理していた工程表をkintoneに置き換えました。
- 作業時間の短縮:約30%削減(集計作業の自動化)
- 抜け漏れ報告が8割減少(通知設定でフォロー体制を強化)
- 何よりも「みんなで良くしていこう」という空気が広がった
「自分が出したアイデアが形になる」
「他部署とも一緒に改善できる」
それが何よりのモチベーションにつながります。
よくある壁と乗り越え方
壁 | 対策 |
---|---|
「また新しいシステムか…」と冷めた反応 | 小さく始めて、成果を“見せる” |
ITが苦手な社員がいる | 画面はシンプルに、サポートは対面で丁寧に |
アプリが使われなくなる | 利用状況を見える化し、声を拾い続ける |
意見が出にくい | 匿名投稿や「褒める文化」で発信を後押し |
未来へ向けて:「やってみよう」の卵を立てるために
業務改善の本質は、一人ひとりの姿勢にあります。
「卵が立つなんて無理」と思っていれば立たないし、「どうやったら立つ?」と向き合えば、立つ方法が見つかる。
ツールの導入も同じ。
kintoneという土台があっても、立てるのは“使う人の信じる力”です。
はじめの一歩は「見える化」から
もし今、社内にモヤモヤとした「不満」「非効率」「やるせなさ」があるとしたら、それを見える化することが始まりです。
それが、社内風土を“自分ごと”に変えていく第一歩です。
kintoneで、小さくても確かな“卵”を立ててみませんか?
👣 次のステップ
- 業務の中で「改善したい」と思っている業務を1つリストアップする
- その業務を「誰と」「どんな風に」変えられるかを考えてみる
- もし迷ったら、身近なツール(Excelや紙)との違いを知るために、kintoneの体験版に触れてみるのもおすすめです