「予祝(よしゅく)」という言葉を聞いたことはありますか?
字の通り、「予め(あらかじめ)祝う」こと。実はこれ、日本人が昔から大切にしてきた素敵な習慣なんです。一番有名な例が「お花見」。
古代の日本人にとって、お花見は単なる春の宴会ではありませんでした。秋の豊作を先にイメージし、桜を稲穂に見立てて「今年も豊作だ!やったー!」と前祝いをする。これが本来のお花見の意味だったと言われています。
「願いが叶った状態を先に喜び、お祝いすることで、その現実を引き寄せる」
なんだかスピリチュアルに聞こえるかもしれませんが、ビジネスやスポーツの世界でも「イメージトレーニング」として定着している手法ですよね。
成功した自分、完成したプロジェクト、喜んでくれるお客様の顔。これらをどれだけリアルにイメージできるか。それが結果を左右することは、多くの経営者やリーダーの方が実感されていることではないでしょうか。
今回は、この古来からの知恵「予祝」を、最新のデジタル技術と組み合わせることで、チームの生産性を劇的に上げる(しかも楽しく!)方法についてお話ししたいと思います。
なぜ、目標達成が「義務」になってしまうのか?
経営者やマネージャーの皆さん、現場の雰囲気はいかがでしょうか?
「今月の目標達成まであと◯%だ、頑張ろう!」
「納期厳守!遅延は許されないぞ」
もちろん、ビジネスにおいて数字や納期は重要です。しかし、それが単なる「ノルマ」や「義務」としてチームにのしかかっていないでしょうか?
「言われたからやる」「怒られないためにやる」。
このような心理状態、いわゆる「やらされ仕事」では、人のパフォーマンスは最大限に発揮されません。マニュアル通りの業務改善を進めても、どこか閉塞感が漂う……そんな悩みをお持ちの方も多いはずです。
真の課題は、メンバー全員が「その仕事が完了した時の最高の景色」を共有できていない点にあります。
数字の羅列だけでは、人はワクワクしません。命令しても、心までは動かせません。必要なのは、理屈を超えた「共通のポジティブなイメージ」なのです。
デジタルサイネージ × 生成AIで「予祝」を可視化する
そこで私たちが実践しているのが、オフィスに設置した「デジタルサイネージ」を活用した現代版の予祝です。
私たちはシステム開発の仕事をしていますが、以前から「このシステムが完成して、お客様が実際に使って喜んでいるシーン」を想像して予祝をしてきました。しかし、想像力には個人差がありますし、言葉だけでは限界があります。
そこで登場するのが、最近急速に進化している「画像生成AI」です。
やり方はとてもシンプルです。
- これから取り組むプロジェクトが成功し、納品されたシーンを想像する。
- そのイメージをAIに伝え、画像(写真)を生成してもらう。
- 例えば、お客様が満面の笑みでシステムを操作している様子や、そのシステムによって現場が活気に満ちている風景など。
- その画像を、社内のデジタルサイネージにドーンと表示する!
たったこれだけです。
しかし、その効果は絶大です。
オフィスのふとした瞬間に、自分たちがこれから作る未来の成功シーンが目に入ってくる。「あ、自分たちはこの笑顔を作るために仕事をしているんだ」と、直感的に理解できるのです。
「命令」しなくても、チームは勝手に動き出す
この「デジタル予祝」を取り入れてから、私たちのチームには面白い変化が起きました。
まず、メンバーとの会話が変わります。「この案件、もっとこうしたら、あのお客様ならもっと喜ぶんじゃない?」といった、前向きな提案が増えました。
目標となる「絵」が共有されているので、そこに向かうための協力体制も自然と芽生えてきます。
「生産性を上げろ」「効率化しろ」と命令しているわけではありません。
ただ、ワクワクする未来を見せているだけ。それだけで、仕事への取り組み方が「作業」から「創造」へと変わるのです。
よくある「業務改善」というと、無駄を削ぎ落とし、マニュアルを整備して……と、少し窮屈なイメージを持たれがちです。もちろんそれも大切ですが、その土台に「楽しさ」や「期待感」がなければ、継続しません。
「工夫すれば仕事は愉しくなる」。このマインドセットこそが、最強の生産性向上ツールだと私は考えています。
kintoneとサイネージで、オフィスをもっと面白く
「面白そうだけど、いちいち画像を作って表示するのは手間がかかりそう……」
そう思われた方、ご安心ください。ここでも少しの工夫が役立ちます。
例えば、業務アプリ構築クラウドの「kintone(キントーン)」を使っているなら、案件管理アプリに「予祝画像」というフィールドを作っておき、そこに生成した画像を登録するだけ。
弊社が提供しているデジタルサイネージソリューションや、kintoneカスタマイズの「カンバン」表示などを活用すれば、登録された案件情報と一緒に、その予祝画像をオフィスのモニターへ自動的にスライドショー表示させることが可能です。
朝、出社するとサイネージに未来の成功シーンが流れている。
「よし、今日もあのお客様の笑顔のために頑張るか!」
そんな風に一日が始まったら、きっとその日の仕事は充実したものになるはずです。
従業員のやる気を自然と引き出し、真の業務改善を実現する「デジタル予祝」。
コストをかけず、アイディアと遊び心ですぐに始められます。
みなさんの会社でも、まずは一枚の画像から、未来のお祝いを始めてみませんか?
チームのモチベーションを高めるデジタルサイネージの導入や、kintoneを活用した独自の「カンバン」カスタマイズについて、具体的な事例を知りたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。あなたの職場に合った「ワクワクする仕組み」をご提案します。
Gibbons 
