前回のまんだら整理で課題がスッキリ見えてきたけれど…
- 「課題が8つに整理できたけど、どれから手をつければいいの?」
- 「全部重要に見えて、優先順位が決められない」
- 「とりあえず簡単そうなものからやろうかな…でもそれでいいの?」
そんな風に迷っていませんか?
実は、多くの部署が課題整理の次のステップで止まってしまいます。「やることは分かったけど、どの順番で?」という優先順位の壁にぶつかるんです。
でも大丈夫。今日は、整理した課題の中から**「最も効果的な改善の順番」を科学的に決める方法**をお伝えします。もう「とりあえず」で決める必要はありません。
なぜ優先順位が決めにくいのか?
優先順位決定を難しくする3つの罠
1. 「緊急」と「重要」の混同
- 「今日中にやらなければ」→緊急だけど重要?
- 「いつかはやりたい」→重要だけど緊急?
- 目の前の「緊急」に振り回されがち
2. 「効果の大きさ」が見えない
- 「これを改善したらどのくらい効果があるの?」
- 「時間をかけた割に効果が薄かった…」
- 投資対効果が予測できない
3. 「関連性」が複雑
- 「Aを解決するとBも良くなるかも」
- 「でもCを先にやらないとAができない」
- 課題同士のつながりが見えない
間違った優先順位で進むリスク
適当に優先順位を決めて進むと:
- 効果の薄い改善に時間を浪費
- 根本的な解決にならない
- メンバーのモチベーション低下
- 「改善しても変わらない」という諦め
でも大丈夫、シンプルな基準で判断できます。
【実践ワーク】3つの質問で優先順位をスッキリ決める
とってもシンプル!3つの質問で判断
難しく考える必要はありません。各課題について、以下の3つの質問に答えるだけです:
質問1:効果はどのくらい?
「これを解決したら、どのくらい良くなる?」
- 3点:部署全体がかなり良くなる
- 2点:一部のメンバーが楽になる
- 1点:ちょっとだけ良くなる
質問2:どのくらい大変?
「これを解決するのは、どのくらい大変?」
- 3点:すぐできる、簡単
- 2点:少し時間がかかる
- 1点:すごく時間がかかる、大変
質問3:いつまでに必要?
「いつまでに解決したい?」
- 3点:今すぐ何とかしたい
- 2点:数ヶ月以内にはやりたい
- 1点:いつかやれればいい
Step1:各課題に3つの質問で点数をつける(10分)
前回のまんだら整理で出た課題について、3つの質問に答えて点数をつけてみましょう。
点数表の例:営業部の場合
課題 | 効果は? | 大変? | 急ぎ? | 合計 |
---|---|---|---|---|
お客様情報がバラバラ | 3 | 2 | 2 | 7 |
提案書作成に2日もかかる | 2 | 2 | 1 | 5 |
Bさんがいないと困る | 3 | 1 | 3 | 7 |
新人の教育が大変 | 2 | 3 | 1 | 6 |
営業の勉強会がない | 2 | 2 | 1 | 5 |
製造部との連絡がうまくいかない | 2 | 2 | 2 | 6 |
提案書の出来にバラつき | 1 | 3 | 1 | 5 |
営業車が古くて困る | 1 | 1 | 1 | 3 |
Step2:4つのグループに分ける(5分)
点数をつけた課題を、以下の4つのグループに分けます:
A. 今すぐやろう!(効果大×簡単)
「やったらすぐに良くなって、そんなに大変じゃない」
- 最優先で取り組む
- 短期間で成果を実感
- みんなのやる気もアップ
B. 時間をかけてやろう(効果大×大変)
「時間はかかるけど、やったら本当に良くなる」
- 長期計画で進める
- 少しずつでも取り組む
- 大きな変化が期待できる
C. 隙間時間でやろう(効果小×簡単)
「ちょっとした改善だけど、簡単にできる」
- メインの作業の合間に実施
- 小さな成功体験として活用
- 改善の習慣づくりに良い
D. 今は後回し(効果小×大変)
「今は手を出さない方がいい」
- とりあえず保留
- 他のことが落ち着いたら考える
- 状況が変わったら再検討
Step3:やる順番を決める(5分)
グループ分けした課題を、以下の順番で取り組みます:
1. まずは「今すぐやろう!」から1〜2個 2. 急ぎのものがあれば最初に対応 3. 「隙間時間でやろう」も並行して実施 4. 「時間をかけてやろう」は計画を立てる
【応用ワーク】もっと効率的に進めたい場合
デジタルツールを使うメリット
手で書いても十分ですが、デジタルツールを使うと:
1. 計算が自動
- 各課題にポチポチと点数を入力
- 自動で合計を計算してくれる
- 見た目もスッキリ、分かりやすい
2. 並び替えも自動
- 点数の高い順に勝手に並び替え
- 順番を微調整もできる
- パッと見て順番が分かる
3. みんなで共有しやすい
- 同じ画面を見ながら議論
- 遠くにいるメンバーとも一緒に作業
- みんなの意見をまとめやすい
デジタルツールでの進め方
- 前回の課題整理データを開く
- 各課題に3つの質問で点数を入力
- 自動並び替えで優先順位を確認
- メンバーと共有して議論
- 最終的な順番を確定
- 実行スケジュールを作成
実際の優先順位決定例:営業部の場合
グループ分けの結果
A. 今すぐやろう!
- お客様情報がバラバラ(7点:効果3、簡単2、急ぎ2)
- Bさんがいないと困る(7点:効果3、簡単1、急ぎ3)
B. 時間をかけてやろう
- 新人の教育が大変(6点:効果2、簡単3、急ぎ1)
- 製造部との連絡がうまくいかない(6点:効果2、簡単2、急ぎ2)
C. 隙間時間でやろう
- 提案書の出来にバラつき(5点:効果1、簡単3、急ぎ1)
D. 今は後回し
- 営業車が古くて困る(3点:効果1、簡単1、急ぎ1)
やる順番
【第1週〜第4週】今すぐやろう!
- お客様情報をまとめる
- 効果が大きくて、そこそこ簡単
- これができると他の問題も解決しやすくなる
【第5週〜第8週】急ぎの対応 2. Bさんの仕事を他の人にも教える
- 急ぎ度が高い(Bさんが大変すぎる)
- 少しずつでも仕事を分散する
【同時進行】隙間時間で 3. 提案書のテンプレートを作る
- 短時間でできる改善
- 小さな成功でみんなのやる気アップ
この優先順位決定を実践すると…
得られる3つの効果
1. 無駄がない改善ができる
- 限られた時間で一番効果的なことを
- 「やって良かった!」と実感できる
- ムダな作業をしなくて済む
2. みんなが納得してくれる
- 「なぜこの順番なの?」が明確
- 客観的な理由があるから納得
- メンバーが協力してくれる
3. 改善が習慣になる
- 小さな成功体験を積み重ね
- 改善することが楽しくなる
- 次の課題にも前向きに取り組める
Before → After の変化
Before(優先順位決定前)
- 「どれも重要で決められない…」
- 「とりあえず簡単そうなものから」
- 「やってる感はあるけど効果が見えない」
After(優先順位決定後)
- 「この順番で進めれば確実に効果が出る」
- 「メンバー全員が納得している」
- 「短期間で成果を実感できた」
うまくいくコツ:バランスが大事
時間の使い方のコツ
効果的に改善を進めるための時間配分:
- 今すぐやろう!:60% の時間
- 隙間時間でやろう:30% の時間
- 時間をかけてやろう:10% の時間(計画だけ)
このバランスで進めると:
- 短期間で成果が出てやる気が続く
- 長期的な改善も忘れない
- メンバーが疲れすぎない
次はこれに取り組みましょう
優先順位の決定お疲れさまでした!これで「何から始めるべきか」が明確になりましたね。
次回は、決めた優先順位を元に**「3ヶ月後の理想を具体的に描く目標設定法」**をお伝えします。改善後の部署の姿を具体的にイメージし、メンバー全員で共有できる目標を作っていきます。
目標が明確になると、改善への取り組みがさらに加速します。
もっと効率的に進めたい方へ
今回の優先順位決定は手動でも十分ですが、デジタルツールを使うと、評価から並び替えまで一気に処理できて便利です。
特に、複数のメンバーで評価を行う場合や、定期的に優先順位を見直す場合には、デジタルツールの威力を実感していただけます。
また、優先順位が決まったら、改善手順をマニュアル化することが重要です。**「manulet」**があれば、効果的だった改善方法をすぐにマニュアル化して、他の部署でも活用できるノウハウにできます。
「実際に試してみたい」という方は、無料相談でお気軽にお声がけください。あなたの部署の優先順位決定を一緒にサポートします。
次回予告 Step4では「『なんとなく改善』から卒業!まんだらアプリで3ヶ月後の理想を8つの視点で設計する」をお届けします。今回決めた優先順位を元に、改善後の部署の理想的な姿を具体的に描いていきましょう。