〜業務効率化を「簡単」にするために必要な視点を変える試行錯誤〜
「うちでも業務改善やらなきゃいけないのはわかってる。でも、何をやればいいのか、結局わからないんです。」
これは、中小企業の経営者やリーダーの方々とお話する中で、本当によく耳にする声です。業務効率化は 簡単 にできるものだと思い込んでしまうと、逆にその複雑さや多様さに戸惑い、足が止まってしまうものです。
結論からお伝えします。
業務改善は、一つの施策やツールで魔法のようにすべて解決することはありません。
試行錯誤の積み重ねが、結果的に業務効率化を「簡単」にする最短ルートなのです。
本記事では、業務改善を単発で終わらせないために必要な「視点を変える」考え方と、中小企業が現実的に取り組めるkintone活用のステップ、そしてよくある障壁とその克服方法を具体的にご紹介します。
業務改善は「ひとつの答え」を求めるとうまくいかない
多くの中小企業が陥りがちな罠があります。
- 「どんなツールを入れたら解決する?」
- 「結局、何をやればいいのか教えてほしい」
- 「一回で成果が出ないなら意味がないのでは?」
こうした問いの背景には、業務改善は「正解」があって、それを一度掴めば終わりだという誤解があります。しかし実際には、業務改善は100社100通り。同じ業種でも、社内文化や仕事の進め方、人材構成によって課題も施策もまったく変わります。
業務改善を成功させる企業ほど、こんなスタンスを持っています。
- 小さく試す
- 失敗しても原因を探る
- 改善を繰り返す
- 周囲を巻き込んで議論する
つまり、正解探しをやめ、「視点を変える」習慣を持つことが大切なのです。
kintoneは「試行錯誤」のための最高の舞台
ここで登場するのが kintone です。
多くの中小企業が、いざ業務改善を始めようと思っても、こうした悩みにぶつかります。
- Excel地獄
誰がどのファイルを直したのか分からない。最新ファイルがどれか分からない。 - 紙書類だらけ
管理が煩雑。探すだけで時間を浪費。 - コミュニケーション不足
情報共有が口頭やメール頼りで漏れが発生。
kintoneは、こうした課題を解決する土台を提供してくれます。
- アプリを自分たちで簡単に作れる
業務に合わせてフォームや項目を自由に設計可能。 - データの一元管理
更新履歴も残り、「最新」が一目瞭然。 - 柔軟に変えられる
業務が変わっても、すぐに修正できる。
「一発で完璧なシステムを作ろう」としなくていいのがkintoneの魅力です。小さく試し、少しずつ改善していくことで、結果的に大きな効率化につながります。
実践!kintone導入ステップ
では具体的に、どう進めれば良いのか?以下が私が数多くの中小企業支援で培った現実的な導入ステップです。
1. 困っていることを「書き出す」
- 時間がかかる作業
- 手間が多い作業
- 二重管理になっているもの
「誰が」「どこで」「何に困っているのか」を洗い出すことが出発点です。
2. 小さな範囲から取り組む
- まずは 1つの業務 をkintoneに置き換えてみる
- 例:紙の伝票をkintoneアプリ化する、Excel管理をやめる
3. 現場の声を聞きながら改善
- 使いにくい点はすぐ修正
- 新たな要望はメモして次の改善へ
4. 成果を「見える化」する
- 入力工数が●%減った
- 探し物の時間が月●時間減った
- ペーパーレスで年間●円の削減
数値で示すことで社内の理解が深まり、次の改善に弾みがつきます。
成功事例:Excel管理からkintoneへ
ある製造業(従業員約40名)の例をご紹介します。
- 課題
受注管理をExcelで行っていたが、二重入力や誤入力が多発し、データ集計に毎月20時間以上かかっていた。 - 取り組み
まずは受注台帳をkintone化。入力画面はExcelの見た目に寄せて作り、現場のハードルを下げた。 - 成果
月次集計が20時間→2時間に短縮。入力ミスはほぼゼロ。年間にして約200時間以上の業務削減を実現した。
この会社も最初から完璧を目指さず、小さく作り、現場の声を反映しながら改善したことで、大きな成果を上げています。
よくある障壁と克服法
「ITが苦手で使えるか不安」
- kintoneは直感的な画面で操作できる
- 現場が慣れているExcelに似せたデザインにする
「現場が忙しくて取り組めない」
- 作業時間を削る改善より、「楽になる」ことを具体的に示す
- 成果を数値化し「やってよかった」と実感してもらう
「一度で完璧を目指しすぎる」
- 完璧主義は禁物
- まずは「70点」を目指す
試行錯誤が「簡単」への近道
「失敗したくない」「一度で解決したい」という思いは、どの企業にもあります。でも、業務改善は失敗のないところからは生まれません。
大切なのは次の二つです。
- 自分たちで考え、トライすること
- 失敗も含めて共有し、周りの知恵を借りること
そして、kintoneはその「トライ&エラー」を可能にするツールです。小さく始めることで、結果的に業務効率化を簡単にしていくのが、最も確実な道だと私は考えています。
もし、あなたの会社でも「業務改善したいけど、何から手をつければ…」と思われているなら、まずは困りごとを紙に書き出してみてください。そして、どれか一つを小さくkintoneで試すところから始めてみましょう。
業務改善は一つの施策で終わらない。でも、それは決して遠回りではありません。小さな挑戦の積み重ねこそが、業務効率化を「簡単」にする唯一の近道です。