kintoneが今後提供を予定している「kintone AI ラボ」の検索AI機能では、社内に蓄積されたkintoneデータをRAG(Retrieval-Augmented Generation)として活用できる可能性があります。
現時点ではまだリリースされていないサービスのため、あくまで予測の範囲での考察となりますが、どのようなデータが検索AIに適しているのか、あるいは適していないのかについて考察してみたいと思います。
検索AIに適したデータ
1. テキストが豊富な定型フォーマットのデータ
議事録、報告書、提案書など、文章量が多く構造化されたデータは検索AIの得意分野になると予想されます。
これらのデータは文脈を持ち、意味のある情報を多く含んでいるため、AIが内容を理解して関連情報を抽出しやすいでしょう。
2. 社内ナレッジベース
よくある質問、トラブルシューティングガイド、業務マニュアルなどの形式知は、検索AIにとって理想的な学習ソースになると考えられます。
ここで特筆すべきは、弊社が提供している「manulet」サービスとの親和性です。manuletはkintoneのレコードを活用して社内ノウハウを効率的に運用するツールであり、既に構造化された形で知識が蓄積されているため、「kintone AI ラボ」の検索AI機能とは非常に相性が良いでしょう。
manuletユーザーは、リリース後比較的早い段階で検索AI機能の恩恵を受けられる可能性が高いと考えています。
3. 顧客対応履歴
過去の問い合わせ内容と回答のログは、パターン化された顧客の疑問に対して適切な回答を提供するのに役立つでしょう。ただし、個人情報の取り扱いには十分注意が必要です。
4. プロジェクト関連ドキュメント
計画書、進捗報告、振り返りなど、プロジェクトの流れを記録したドキュメントは、過去の知見を活かした回答を生成するのに適していると予想されます。
検索AIに適さないデータ
1. 数値のみのデータ
数値だけが並んだスプレッドシートや集計データは、文脈がないため、検索AIが意味を理解するのが難しいでしょう。例えば、単なる売上数字の羅列などは、AIにとって解釈が困難になると予想されます。
2. 短文・断片的なメモ
文脈が不足した短いメモや略語が多用された記録は、AIが適切に理解できない可能性が高いです。「A社 MTG 3/15 PM2 @本社」といった内容だけでは、十分な情報が得られないでしょう。
3. 古いデータや陳腐化した情報
組織の方針や製品情報など、時間の経過とともに変化する情報は、検索AIに利用すると誤った回答につながる恐れがあります。データの鮮度を保つ仕組みが必要でしょう。
4. 特殊な専門用語が多いデータ
組織独自の略語や専門用語が多用されている場合、AIが正確に理解できないことが予想されます。特に説明なしに使われている内部コードや略語は要注意です。
業務改善が加速する
「manulet(マニュレット)」は、kintone上でマニュアル運用を驚くほどシンプルにするツールです。複雑だったマニュアル作成や管理が直感的な操作で誰でも簡単に行え、業務改善を加速させます。
現場での使いやすさを徹底的に追求し、情報共有のスピードを劇的に向上。従来のマニュアル運用を次のステージへ導く新しい解決策です。
manuletと検索AIの親和性
弊社が提供しているmanuletサービスは、kintoneのレコードを活用して社内ノウハウを体系的に管理するツールです。マニュアルやFAQ、業務手順書などを構造化された形式で保存し、検索性を高めています。
このようなmanuletで管理されているデータは、まさに検索AIが得意とするデータ形式であり、「kintone AI ラボ」がリリースされた際には、比較的スムーズに連携できる可能性が高いと考えています。manuletユーザーは、既に適切な形式でナレッジを蓄積しているため、検索AI機能の早期活用者となれるでしょう。
manuletの特徴である以下の点が、検索AI機能との相性の良さを示しています:
- 構造化されたフォーマットでの知識蓄積
- テキスト情報が豊富
- カテゴリやタグによる整理
- 定期的な更新の仕組み
検索AIを効果的に活用するためのポイント
データの前処理が重要
効果的な検索AIの実現には、データの前処理が非常に重要です。不要な個人情報の削除、フォーマットの統一、メタデータの付与などを行うことで、AIの理解度と回答精度を高めることができるでしょう。
定期的なデータ更新の仕組み
古くなったデータを更新し、最新の情報を反映させる仕組みを整えることが必要です。特に頻繁に変更される情報は、更新の仕組みを明確にしておくことが重要になるでしょう。
まとめ
今後リリースが期待される「kintone AI ラボ」の検索AI機能を最大限に活用するには、適切なデータの選定と準備が重要になると予想されます。弊社サービスの「manulet」のようにkintoneレコードを活用して社内ノウハウを体系的に管理している企業は、この機能のメリットをいち早く享受できる可能性が高いと考えています。
まだリリース前のサービスについての考察となりますが、今からデータの質と構造に注目して準備を進めることで、リリース後スムーズに検索AI機能を活用できるでしょう。