「慣れ」がもたらす落とし穴
「毎日同じことの繰り返しで、もううんざり…」そんな風に思っていませんか?実は、あなたの周りでも、同じような悩みを抱えている人がたくさんいるかもしれません。仕事に慣れることは悪いことではありませんが、「慣れ」が招く落とし穴に気付かずに、貴重な時間を無駄にしているケースも少なくありません。
業務が慣れてくると、無駄に感じていた作業も気づかないうちに「当たり前」になってしまうことがあります。業務改善が進まない理由はここにもありそうです。今回は、そんな「慣れ」の落とし穴に陥らないための工夫について考えてみます。
業務改善は、単なる時間の節約ではありません。それは、仕事に対するモチベーションを高め、利益を生み出すため仕事へと繋がる第一歩なのです。
慣れの怖さ
人間は、一度慣れた環境ややり方に執着する傾向があります。これは、脳がエネルギーを節約しようとするからだそうです。しかし、この「慣れ」が、組織全体の生産性を低下させる原因となることもあります。
たとえば、ある製造業の会社では、長年使い慣れた古い機械を新しいものに入れ替えることをためらい、生産性が低いままの状態が続いていました。新しい機械を導入すれば、生産性が向上し、人件費削減にもつながるはずなのに、社員たちは「今のやり方の方が慣れている」という理由で、変化を恐れていました。
仕事に慣れてくると、最初は面倒だと感じていた作業も、いつの間にかスムーズにできるようになります。しかし、それが本当に必要な作業かどうか、考え直す機会は少なくなりがちです。無駄な業務が常態化してしまうのは、この「慣れ」が大きな原因の一つです。
なぜ業務改善が難しいのか?
社内の人々が業務改善を行うのが難しいのは、普段の業務に埋もれてしまい、問題点が見えにくくなるからです。業務の無駄に気づいても「これで上手く回っているから」という理由で改善が後回しになってしまうこともよくあります。また社内業務を改革するには、どこかしら(誰か)に痛みを伴うことも少なくありません。
改善への第一歩: 想像力を働かせる
では、どのようにして「慣れ」から抜け出し、業務改善を進めていけば良いのでしょうか?
「もし、この作業がなくなったらどうだろう?」と想像してみてください。または「今この段階で行うべき作業だろうか?」と考えてみてください。
例えば、日々の業務で使用しているファイルが、関数やVBAだらけで入力作業する人たちが萎縮してしまうようなものだったとしたら、ファイル自体を改善するのではなく、実はもっと大元の段階の「データの流し方」に改善が必要なケースがあるかもしれません。普段の業務を一歩引いて見つめ直し、効率化の可能性をさまざまな角度から考えてみることで、新しい解決策が生まれることがあります。
業務フロー図を作成することで、無駄な作業や重複している作業を明確にして精査してするのも良いでしょう。業務効率化をサポートしてくれるツールもたくさんありますので、ツールに頼るのも1つの手段です。
業務改善は「慣れ」の中に埋もれた無駄を見つけ出すことから始まります。そのためには、日々の業務を見直し、想像力を働かせることが必要です。ぜひ、今回紹介した視点を持って「慣れ」に打ち勝ち、業務改善に取り組んでみてください。