ホームページってコンセプトブックだと思う

突然ですが、みなさんのお気に入りのお店を思い浮かべてみてください。

そのお店のこと、誰かに紹介するとしたら、何を伝えますか? 「駅から歩いて5分で、ランチが900円で……」という話ももちろんするでしょう。でも、本当に好きなお店の話をするとき、きっとそれだけじゃないはずです。「あそこの店主さん、すごくこだわりがあってね」とか、「なんか居心地がよくて、つい長居しちゃうんだよね」とか。そういう、数字では表せない”空気感”みたいなものを伝えたくなりませんか?

実はこれ、ホームページにもそっくりそのまま当てはまるなぁ……と、最近つくづく感じています。いろいろな方のホームページ作りをお手伝いする中で気づいたことを、今日はちょっとお話しさせてください。

情報は載っている。でも「何か足りない」問題

ホームページを作ろうとすると、まず考えるのは「何を載せるか」ですよね。住所、電話番号、営業時間、料金表、アクセスマップ……。これらはもちろん大切です。お客さんが知りたい情報がなかったら、そもそも来てもらえませんから。

ところが、こうした情報をきちんと整えて載せたはずなのに、「なんだかしっくりこない」「うちらしさがない」と感じる方が、けっこう多いんです。

たとえるなら、履歴書みたいなものかもしれません。名前、年齢、学歴、資格……。事実はすべて正確に書いてある。でもそれだけ読んで、その人のことを「好きだな」とか「一緒に働きたいな」とは、なかなか思わないですよね。人って不思議なもので、スペックだけでは心が動かないようにできているみたいです。

ホームページも同じで、情報が”正確に並んでいるだけ”だと、読んだ人の心にはあんまり残らない。「ふーん」で終わってしまう。もったいないなぁと思うんです。

しかも今の時代、営業時間や料金なんてGoogleマップを見ればわかることも多い。わざわざホームページを訪れてくれた人に、「Googleマップでも調べられる情報」だけを見せて帰すのは、ちょっとさみしいですよね。せっかく来てくれたんだから、もうちょっとそのお店のことを知ってもらいたい。そう思いませんか。

お店の空気感は「想い」からにじみ出る

じゃあ何があれば心に残るのか。いろいろお手伝いをしてきて思うのは、やっぱり「想い」なんですよね。ちょっとクサい言い方かもしれませんが、本当にそう感じています。

先日、ある小さなパン屋さんのホームページを見せていただいたことがありました。メニューも写真もきれいに並んでいて、情報としては申し分ない。でも正直に言うと、ほかのパン屋さんとの違いがよくわからなかったんです。

ところがオーナーさんと話してみると、出てくる出てくる。「子どもが安心して食べられるパンを作りたくて始めたんです」「この町にはパン屋がなかったから、朝の楽しみを届けたくて」と。その話を聞いているだけで、もうパンが食べたくなってくるわけです。

こういう言葉って、ご本人にとっては当たり前すぎて、わざわざホームページに書こうとは思わないことが多い。でも実は、それこそがそのお店を選ぶ理由になるんですよね。商売って結局のところ、人と人だから。どんな人が、どんな気持ちでやっているのかが伝わると、「あ、ここ行ってみたいな」につながるんだと思います。

ホームページは「コンセプトブック」

そんなことを考えているうちに、ふと思ったんです。ホームページって、コンセプトブックなんじゃないかなと。

コンセプトブックというのは、ブランドや商品の世界観・方向性をまとめた冊子のことです。アパレルや建築の業界ではよく使われていて、写真や言葉を使って「私たちはこういう存在です」と伝えるためのもの。カタログとは違って、スペックよりも”雰囲気”や”姿勢”を表現するものなんですね。

ホームページもそれと同じだなと。料金やアクセスといった「カタログ的な情報」はもちろん必要だけれど、本当に見てほしいのは、そのお店や会社がどこを向いて歩いているのか。何を大事にしているのか。どんな景色を見ているのか。そういう”方向性”が伝わったとき、はじめて「このお店いいな」と思ってもらえるんじゃないかと。

おしゃれなデザインや美しい写真ももちろん大切です。でもそれは、想いを伝えるための手段であって、目的ではない。見た目がきれいでも中身が空っぽだと、なんだかモデルルームみたいになっちゃう。住む人の暮らしが見えないモデルルームは、きれいだけどちょっと寂しいですよね。

逆に言えば、デザインが多少シンプルでも、想いがちゃんと伝わっているホームページには不思議な引力があります。「あ、このお店行ってみたい」「この人に頼んでみたい」と思わせる力。それはテンプレートの美しさとは別のところから生まれるんだと思います。

想いを「言葉にする」って意外とむずかしい

ただ、自分の想いを言葉にするって、簡単なようで実はけっこうむずかしいんです。毎日当たり前にやっていることほど、あらためて「なぜやっているの?」と聞かれると言葉に詰まる。これ、すごくよくある話です。

よくあるのが、「お客様に喜んでもらいたいから」というフレーズ。もちろんその通りなんですけど、それだとどのお店でも同じになっちゃうんですよね。大事なのは、もう一歩だけ踏み込むこと。「どんなお客様に」「どう喜んでもらいたいのか」。この”もう一歩”が見つかると、言葉にぐっと体温が宿ります。

さっきのパン屋さんで言えば、「子どもに安心して食べさせられるパン」という一言で、一気に景色が見えるようになる。朝の食卓で、お母さんが安心してパンを出している場面が浮かびますよね。そういう具体的な場面がイメージできる言葉があると、読んでいる人の心にもスッと入っていくんです。

むずかしく考えなくてもいいんです。ふだん常連さんに話しているような言葉、仕事仲間とご飯を食べながら話すような言葉、そのまんまの言葉でいい。むしろ、飾らない言葉のほうが伝わることもたくさんあります。完璧な文章じゃなくていいから、「自分の声」が聞こえてくるような言葉がホームページにあると、ぐんと魅力が増すんだと思います。

今日は「ホームページってコンセプトブックなんだな」という、最近の気づきについてお話ししました。

住所や営業時間、料金といった情報はもちろん大切。でもそれだけでは、たくさんあるお店や会社の中に埋もれてしまう。「どんな想いで取り組んでいるのか」「何を大事にしているのか」。そういう部分が伝わったとき、はじめてホームページは”あなたのお店のもの”になるんだと思います。

もしこれからホームページを作ろうとしている方がいたら、デザインやレイアウトの前に、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてください。「うちって何を大切にしてるんだっけ?」と。すぐに答えが出なくても大丈夫。スタッフや常連さんと話しているうちに、ぽろっと出てくることもあるはずです。

その一言が、きっとホームページをもっとあたたかくしてくれると思います。

難しいことは何もいりません。大事なのは、「自分の言葉」があるかどうか。それだけで、ホームページはカタログからコンセプトブックに変わるはずです。

最後にちょっとだけ宣伝、ホームページの作成値段が分かりやすくわかる仕組みを作りました。

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