考えるためにツールを使う

~アイディアと工夫で「考える力」を業務効率化に活かす~

AI時代に求められる“考える力”

「業務効率化」や「業務改善」の話になると、よく登場するのが最新のITツールやAIの活用。確かに、AIの進化は目覚ましく、業務のスピードや精度を格段に向上させてくれます。

しかし最近、現場の方々と話していると気になることがあります。

「AIが提案してくれるから、自分で考えなくなってきた」
「AIに頼りすぎて、業務改善の発想が出てこない」

このように、AIの便利さの裏で「考える力」が弱まっているという声が増えてきました。

考えることを手放してしまえば、「業務の本質」も「改善のヒント」も見逃してしまいます。
本当に業務を効率化するためには、AIなどの“便利なツール”を、考えるための“支え”として使うことが重要なのです。

業務改善の第一歩は「考える時間」を作ること

どんなに優れたツールがあっても、使う人間が「何を改善したいのか」「今どこに無駄があるのか」に気づかなければ、成果にはつながりません。

そのためにまず必要なのは、「考える時間」と「思考の整理」です。

中小企業が抱える“考えられない”理由

  • 目の前の業務で手一杯
  • チームでの共有がうまくいっていない
  • 改善したいことが頭の中でぐちゃぐちゃになっている
  • 上司の意見が絶対で、自分で考える機会がない

このような現実が、思考を妨げています。

考えるための「思考補助ツール」の活用

思考を整理するには、自分の頭の中を「見える化」することが効果的です。たとえばメモや付箋、マインドマップ、フレームワークなど。

私たちはその中でも、マンダラ思考法を活用した「まんだらアプリ」をおすすめしています。

まんだらアプリとは?

kintone上で使える、思考を整理するための支援アプリです。中央に主題を置き、その周囲に8つの要素を広げることで、アイディアや課題を多角的に掘り下げていく仕組みです。

  • 改善案を検討する会議の前に
  • 新しい施策の骨子を固めたいときに
  • 課題の本質を整理したいときに

頭の中を整えるのに非常に役立ちます。

成功事例:考える習慣が生んだ業務改善

ある製造業の企業(従業員約40名)では、業務改善のアイディアが「言ったもん勝ち」になっており、まともに検討されないという課題がありました。

そこで「アイディア記録アプリ」に加えて、チームで「まんだらアプリ」を活用し、改善アイディアを分類・深堀するセッションを月1回実施。
その結果、従業員発案の改善施策が4件連続で採用され、現場の意識が一気に変化。

  • 工程ごとの作業時間が平均15%短縮
  • 無駄な紙資料の削減(年間約3,000枚)
  • 「自分たちが考えて良くした」という自負が定着

“自分の頭で考える”ことが、実際の業務改善に直結した好例です。

よくある障壁とその乗り越え方

思考を妨げる原因はツール不足だけではありません。以下のような“心の壁”も存在します。

よくある障壁とその克服法

  • 「こんなこと言ったら怒られるかも」
     → 匿名投稿やラフな形式でアイディア収集
  • 「考える時間が取れない」
     → 「考える時間」を業務内に明文化して確保
  • 「何が問題か分からない」
     → 「まんだらアプリ」などで要素分解・視点の整理

ツールは“考えるため”に使う

「考える」ことをやめた組織は、改善も成長も止まります。
でも、考えることは疲れるし、つい後回しにされがち。

だからこそ、考える時間を取り、考えるためのツールを味方にしてほしいのです。

  • AIや自動化ツールは補助輪
  • 主体はあくまで「人」
  • 考え抜いたアイディアが、工夫と改善に繋がる

最初の一歩:今日からできる3つの行動

  1. 気になったことを1日1つ、メモに書く
  2. チームで「改善ネタ共有会」を15分やってみる
  3. 興味があれば「まんだらアプリ」を使って、頭の中を整理してみる

考えるために、ツールを使おう。
それが、これからの時代の“賢い業務効率化”です。