〜 現場が変わるマニュアル活用の新しい発想 〜
「マニュアル、指示されているようで…」そんな感覚ありませんか?
人は他人からの指示にはなかなか動かされませんが、自分で考えたことには意欲的に取り組むものです。
今回は、現場の知恵を生かしたユニークな事例から、マニュアルを「指示されるもの」から「みんなで作るもの」に変えるヒントを紹介します。
マニュアルが嫌われる理由
指示されるもの、というイメージ
多くの人にとってマニュアルは「決められたことをただ守るもの」というイメージがあります。そのため「創意工夫の余地がない」「指示されているだけ」と感じてしまい、どうしても受け身になりがちです。
行動につながらない背景
人は他人に言われたことには抵抗しますが、自ら考え、選択したことには主体的に行動するものです。マニュアルが「誰かに押し付けられたもの」だと、行動には結びつきにくいのです。
みんなで作るマニュアルに変える
「手順買取キャンペーン」の事例
ある会社では「手順買取キャンペーン」というユニークな取り組みを実施しました。社員が自分の業務手順や工夫を投稿すると、それを会社が「買い取る」という仕組みです。
- 自分の仕事のやり方を見直すきっかけになる
- 他の人の工夫を知り、新しい視点が得られる
- 「ゲーム感覚」で取り組めるため盛り上がる
結果として、社員は自らの業務を振り返り、マニュアル作成に主体的に関わるようになりました。
現場で実践できる工夫
1. 小さなインセンティブを用意する
「買取」という仕組みは一例ですが、ちょっとした表彰やポイント制度でも効果があります。大切なのは「自分の工夫が評価される」仕組みを作ることです。
2. 書きやすいフォーマットを整える
「手順を書くのが面倒」と感じさせない工夫も重要です。例えば、箇条書きやチェックリスト形式で簡単にまとめられるようにすると参加率が上がります。
3. チームで共有・称賛する場をつくる
提出された手順や工夫を共有する機会を設け、拍手やコメントで評価し合うと「自分もやってみよう」という雰囲気が広がります。
なぜ主体性が行動につながるのか
心理学でも「自己決定理論」があります。自分の意思で選んだことは、外から与えられたものよりもモチベーションが高くなるという考え方です。
つまり、マニュアルを「与えられるもの」から「自分で作るもの」に変えるだけで、行動や定着度は大きく変わるのです。
すぐにできるアクションプラン
- まずは「自分の業務でちょっとした工夫」を1つ書き出してみる
- チーム内で「手順をシェアする日」を決めて発表する
- 買取や表彰など小さな仕掛けを試してみる
これらは小さな一歩ですが、続けることで「マニュアルは現場がつくるもの」という文化が根づいていきます。
マニュアルは、指示されるだけのものではなく「自分たちで作り上げるもの」に変わると、現場の行動や意識は驚くほど変わります。
小さな工夫から始めて、一緒に「使われるマニュアル」へ育てていきましょう。