「AIに聞いてみれば?」
最近、こうした言葉を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
生成AIがビジネスの現場に浸透しつつある今、中小企業の経営者やリーダーの皆さんの多くが、興味を持ちつつも、こう感じているかもしれません。
- 「便利そうだけど、うちの業務にどう使えるのか分からない」
- 「AIの答えをどこまで信用していいのか不安」
- 「自社の社員はITに詳しくないから使いこなせない気がする」
このように「視点を変える」ことが必要なのが、まさに今の局面です。実は生成AIは、「なんでも知っている専門家」ではなく、「ちょっと詳しい先輩」くらいの距離感で付き合う方がずっとうまくいくのです。
今回は、サイボウズ社の 「kintone AI ラボ」 の最新動向と、私たちが現場で活用している「AIメンター」の考え方をもとに、生成AIとkintoneを組み合わせた 簡単 で実践的な業務改善の道筋をお伝えします。
生成AIに抱きがちな「過剰な期待」と「漠然とした不安」
まず、多くの方が持つ2つの誤解を解いておきましょう。
- 生成AIならすべて解決してくれる
- AIの答えはすべて正しい
生成AIは、たしかに膨大な情報を瞬時に処理し、私たちが思いもよらない切り口を提案してくれます。しかしそれはあくまで「過去の情報」や「一般論」をもとにした提案です。業界特有の事情や、自社固有のルールまでは理解できません。
例えば、「今このケースでどうしたらいいか?」と聞くような微妙なニュアンスは、AIにはまだ荷が重いのです。
だからこそ、生成AIを「ちょっと詳しい先輩」と位置づけるのが正解です。
- 答えを出してくれるけれど、それが最終決定ではない
- 相談相手として、視野を広げるヒントをもらう
この視点を持つだけで、生成AIの活用はぐっと現実的になります。
kintone AI ラボの挑戦と可能性
そんな中、サイボウズ社は「kintone AI ラボ」という試みを立ち上げています。現時点で以下のようなAIがベータ版として公開されています。
- 検索AI
複数のアプリやレコードを横断的に検索し、答えを探してくれる機能。 - アプリ作成AI
簡単な指示を与えるだけで、業務アプリの雛形を作成してくれる。 - プロセス管理AI
社内の業務フローをAIが分析し、最適なプロセス改善案を提案。
どれも「簡単」に使えるよう工夫されていますが、やはり導入には「方向性の指示」が不可欠です。たとえば「あなたは中小企業の経営者です」「行政手続き向けに作成してください」といった具体的な条件を与えることで、回答精度が格段に上がるのです。
「AIメンター」という考え方──kintoneに「ちょっと詳しい先輩」を住まわせる
私たちは、この「方向性を与える」ことの大切さを痛感し、「AIメンター」というサービスを提供しています。これはkintone上で動くAIチャットボットのようなもので、社内に「ちょっと詳しい先輩」を複数置いておくイメージです。
例えば、次のような場面で役立ちます。
- 「行政書士に聞くほどじゃないけど、この書類どう処理するの?」
- 「会計士に頼むほどじゃないけど、この勘定科目で合ってる?」
- 「Excelマクロで作業してたけど、kintoneで簡単にできないかな?」
こうした “当たり前すぎて人に聞けない” 細かい悩みを、AIメンターは嫌な顔ひとつせず答えてくれます。もちろん最終判断は人が行うべきですが、ヒントをくれる存在として非常に心強い味方です。
「うちにはITに詳しい社員がいないから無理」と思う方もいるかもしれません。大丈夫です。
具体的なビジネス効果──視点を変えるだけでここまで変わる
生成AIを「ちょっと詳しい先輩」としてkintoneに住まわせることで、次のような効果が見込めます。
- 社内の質問対応時間を削減
→ 社員同士の「ちょっと教えて」が平均30%減った事例も。 - 新しい視点で業務改善のヒントが得られる
→ たとえばプロセス管理AIで、従来のフローから無駄を10%削減。 - 専門家への外注コストを抑制
→ 年間数十万円のコスト削減につながるケースあり。
こうした数字を見ると、「視点を変える」だけで業務改善の可能性が大きく広がることを実感します。
よくある障壁とその克服法
「AIを信じきれない」
→ 答えを最終決定にせず、ヒント集めと割り切る
AIは「方向を示すツール」と考えるだけで安心感が違います。
「ITが苦手で操作できない」
→ 質問テンプレートを用意する
kintoneなら「クリックするだけ」の仕組みに作り込めます。
「費用がかかりそう」
→ スモールスタートで試す
最初は限定的なテーマで運用し、効果を測定してから拡大を検討するのがおすすめです。
次のステップ──まずは一つ、AIメンターを作ってみる
生成AIは、万能の魔法の杖ではありません。でも、視点を変えて「ちょっと詳しい先輩」として活用すれば、中小企業でも確実に業務改善を進められます。
kintone AI ラボ のような最新の試みを取り入れつつ、まずは社内でよくある質問を1つ、AIに投げかけてみてください。それが「簡単」で現実的な第一歩です。
「専門家に聞いてみよう」──その感覚を、ぜひAIメンターにも向けてみてください。あなたの会社の中に、頼れる“先輩”がまた一人、増えるかもしれません。
「AIメンター」が試せます。
弊社AIメンターは業務改善を始めようとしている会社様に一定期間無償で提供しています。
業務改善のコツや各種専門家が欲しい方、ぜひご相談ください。